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【自分でできる】認知症テストとは?症状のセルフチェックや代表的な検査方法を解説

【自分でできる】認知症テストとは?症状のセルフチェックや代表的な検査方法を解説

「最近、人の名前がすぐに出てこない」「探し物が増えた気がする」。そんな日常のちょっとした「もの忘れ」、気になっていませんか?もしかして認知症の始まりかも…と、一人で不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、ご自宅で簡単にできる認知症のセルフチェックリストや、代表的な認知症テスト「長谷川式スケール」の具体的なやり方をご紹介します。この記事を読めば、認知症への正しい知識が身につき、ご自身の状態を客観的に見るきっかけになります。不安を安心に変える第一歩を、ここから一緒に踏み出しましょう。

もしかして認知症?気になる「もの忘れ」のサイン【簡単セルフチェックリスト】

加齢による「もの忘れ」と、認知症の初期症状は少し違います。例えば、昨日の夕食を思い出せないのは「もの忘れ」ですが、夕食を食べたこと自体を忘れてしまうのは認知症のサインかもしれません。

以下のリストで、ご自身やご家族の様子をチェックしてみてください。当てはまる項目が多い場合は、一度専門家へ相談することを考えてみても良いでしょう。

  • 物の置き場所を忘れ、探すことが増えた
  • 約束や大事な用事を忘れてしまう
  • 料理の手順が分からなくなったり、味付けが変わったりした
  • 慣れているはずの道で迷うことがある
  • 同じことを何度も話したり、聞いたりする
  • 日付や曜日が分からなくなることがある
  • 今まで好きだったことへの興味が薄れた

認知症テスト(認知機能検査)とは?目的と種類を解説

認知症テスト(認知機能検査)とは、記憶力や判断力、計算能力といった脳の働き(認知機能)の状態を調べるための検査です。認知症の可能性を早期に発見し、適切な治療やサポートにつなげることを目的としています。

この検査には、専門の医療機関で医師や専門家の監督のもとで行われるものと、ご自宅で気軽に試せるセルフチェック形式のものがあります。まずは全体像をつかんでおきましょう。

病院で行われる代表的な認知機能検査

専門の医療機関では、より詳しい認知機能検査が行われます。これらは医師の診断の助けとなる重要な検査です。代表的なものとして、世界中で広く使われている「MMSE(ミニメンタルステート検査)」や、空間を認識する能力を調べる「時計描画テスト」などがあります。これらの検査は、質問に答えたり、図形を描いたりする形式で進められます。専門家が正しく評価するため、自己判断せず、気になる場合は必ず受診しましょう。

自宅でも試せる!最新の認知症セルフチェック方法

病院へ行くのはまだ少し抵抗がある、という方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、自宅で試せるセルフチェックが便利です。この記事で詳しく解説する「長谷川式スケール」のほかにも、最近ではスマートフォンのアプリや、ウェブサイト上で簡単にできる認知機能チェックツールも増えています。ゲーム感覚で楽しみながら脳の状態を確認できるものもあり、認知症への関心を持つきっかけとして非常に役立ちます。

自宅でできる認知症テスト「長谷川式スケール」のやり方と採点基準

「長谷川式認知症スケール(HDS-R)」は、日本で広く使われている認知機能検査の一つです。専門家も利用する方法ですが、質問内容はシンプルで、ご家族の協力があればご自宅でも試すことが可能です。

これはあくまで認知症の可能性を探るための「ものさし」であり、診断を下すものではありません。結果に一喜一憂せず、ご自身の状態を知るためのきっかけとして活用してください。

テストの前に準備するもの

テストをスムーズに行うために、いくつか準備しておきましょう。まず、静かで集中できる環境を整えることが大切です。テレビなどは消して、リラックスした状態で臨んでください。

また、手元には以下のものを用意しておくと便利です。

  • 質問を書き留めた紙
  • ペン(筆記用具)
  • 採点用のメモ用紙
  • お互いの名前が書かれたカードなど(質問8で使用)

質問する側は、相手を急かさず、穏やかな口調で進めることを心がけましょう。

【全9項目】長谷川式スケールの具体的な質問内容

それでは、具体的な質問を見ていきましょう。全部で9つの項目があります。質問する方は、ゆっくりと一つずつ尋ねてください。

  1. お歳はいくつですか?(2年までの誤差は正解)
  2. 今日は何年何月何日ですか?曜日は何ですか?(それぞれ正解で1点)
  3. 私たちが今いるここはどこですか?(自発的に答えられれば2点、ヒントで正解なら1点)
  4. これから言う3つの言葉を覚えて、後でまた聞くので答えてください。「桜、猫、電車」
  5. 100から7を順番に引いてください。(100-7は?、それからまた7を引くと?と質問。93と86の両方が正解で2点、どちらか一方で1点)
  6. 私がこれから言う数字を逆から言ってください。「6-8-2」「3-5-2-9」
  7. 先ほど覚えてもらった3つの言葉をもう一度言ってみてください。(自発的に答えられれば各2点、ヒントで正解なら各1点)
  8. これから5つの品物を見せます。それを隠すので何があったか言ってください。(時計、鍵、ペン、タバコ、硬貨など。相互に無関係なもの)
  9. 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。(10個以上で採点)

採点方法と評価の目安

全9項目の質問が終わり、採点ができたら合計点数を確認します。30点満点で評価し、一般的には以下の点数が一つの目安とされています。

  • 20点以下:認知症の疑いあり
  • 21点以上:認知症の疑いは低い

ただし、これはあくまで簡易的なスクリーニングテストの結果です。点数が低かったからといって必ずしも認知症というわけではありませんし、逆に点数が高くても安心はできません。大切なのは、この結果をきっかけに専門家へ相談することです。

認知症テストを正しく行うための3つのポイント

セルフチェックは便利なツールですが、使い方を間違えると、かえって不安を大きくしてしまうこともあります。テストを正しく、そして有効に活用するために、以下の3つのポイントを心に留めておいてください。

これらのポイントを押さえることで、冷静に自分や家族の状態と向き合うことができるはずです。

心身ともに落ち着いた状態で実施する

認知機能は、その日の体調や気分に大きく左右されるものです。疲れていたり、何か心配事があったりするときにテストを行うと、普段の実力が発揮できず、実際よりも低い点数になってしまう可能性があります。テストを実施する際は、心と体の調子が良く、リラックスできる時間帯を選びましょう。穏やかな気持ちで取り組むことが、より正確な状態を知るための第一歩です。

結果だけで一喜一憂しないことが大切

セルフチェックの結果は、あくまで「目安」です。点数が高かったから「絶対に大丈夫」、低かったから「もうダメだ」と、極端に考えるのはやめましょう。このテストは、認知症を確定診断するものではありません。大切なのは、テストの結果を客観的なデータの一つとして受け止め、「最近ちょっと気になるな」という感覚を確かめるための材料にすること。結果をきっかけに、次の行動を考えることが重要です。

繰り返し行う場合は一定の期間を空ける

「前回の点数が低かったから、もう一度やってみよう」と、すぐに再テストを行うのはおすすめできません。なぜなら、短期間に繰り返すと質問や答えを覚えてしまい、認知機能を正しく測定できなくなるからです。もし、変化を見るために再度テストを行いたい場合は、少なくとも数ヶ月から半年は期間を空けるようにしましょう。焦らず、長い目で状態を見ていくことが大切になります。

テストで「認知症の疑い」があったら?相談先と受診の流れ

セルフチェックで「認知症の疑い」という結果が出たり、日常生活での変化が気になったりした場合、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが非常に重要です。

しかし、「どこに相談すればいいの?」「病院では何をするの?」といった疑問が浮かびますよね。ここでは、具体的な相談先と、専門医療機関での受診の流れを分かりやすく解説します。

まずはどこに相談すればいい?専門の相談窓口

認知症に関する相談ができる窓口は、実は身近にたくさんあります。いきなり大きな病院に行くのはハードルが高いと感じる方は、まず以下のような場所へ連絡してみてください。

  • かかりつけ医: まずは一番身近な医師に相談してみましょう。
  • 地域包括支援センター: 高齢者の総合相談窓口です。お住まいの地域に必ず設置されています。
  • 認知症疾患医療センター: 認知症の専門的な診断や治療を行う医療機関です。

どこに相談すれば良いか迷ったら、まずはお住まいの市区町村の役所に問い合わせてみるのも良い方法です。

専門医療機関での検査・診断の流れ

専門の医療機関を受診した場合、一般的には以下のような流れで検査や診断が進みます。事前に流れを知っておくことで、少しでも安心して受診できるでしょう。

  1. 問診: 本人や家族から、日常生活の様子や気になっている症状について詳しく話を聞きます。
  2. 診察・認知機能検査: 医師による診察や、前述したMMSEなどの詳しい認知機能検査を行います。
  3. 画像検査: CTやMRIといった脳の画像検査を行い、脳の萎縮の程度や、他の病気の可能性がないかを確認します。
  4. 診断・治療方針の説明: すべての検査結果を総合的に判断し、診断が下されます。そして、今後の治療や生活上のアドバイスについて説明を受けます。

早期発見・早期治療の重要性

認知症は、残念ながら現在の医学では完全に治すことが難しい病気です。しかし、できるだけ早い段階で発見し、適切な治療やケアを始めることで、病気の進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることが可能です。早く気づくことができれば、ご本人が穏やかに過ごせる時間を長く保つことにつながります。また、ご家族も今後の準備を落ち着いて進めることができます。だからこそ、早期発見・早期治療が何よりも重要なのです。

まとめ:認知症の不安は一人で抱えず、まずは相談から始めましょう

今回は、ご自宅でできる認知症のセルフチェックから、専門機関での検査、そしてその後の対応までを詳しく解説しました。

「もしかして認知症かも?」という不安は、ご本人にとってもご家族にとっても、非常につらく、重いものです。しかし、その不安から目をそらさず、まずはご自身の状態を客観的に知ろうとすることが、問題解決への大切な第一歩となります。

セルフチェックは、そのための有効なツールの一つです。そして、もし気になる結果が出たとしても、決して一人で悩まないでください。日本には、あなたの不安に寄り添い、力を貸してくれる専門家や相談窓口がたくさんあります。

この記事が、あなたの抱える不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出す勇気につながれば幸いです。